今回は、橋本病についてお話をします。医学の教科書には人名のついた病気がたくさん記載されていますが、日本人の名前がついたものは、橋本病・川崎病・高安病・高月病などがあります。
その中でも橋本病が世界中で最も知られています。 発見者は九州大学外科教室に勤務されていた、橋本 策(はかる)先生です。世界で初めての橋本病の論文は、1912年(大正元年)にドイツの臨床外科雑誌に掲載されました。
橋本病の患者さんの血液中には甲状腺の成分に対する抗体(蛋白です)が認められます。この抗体の有無や(採血検査)、甲状腺の触診の様子、甲状腺エコー検査を用いて診断してゆきます。
女性に多く、年代とともにこの体質(抗体)を持つ方が増加してゆきます。このため、定期的な受診を
お勧めしています。次回は、分娩と橋本病に合併した分娩後無痛性甲状腺炎についてお話しします。