皆様、如何お過ごしでしょうか。本日は2021年9月19日
(日曜日)です。 本日も残務整理のため朝よりクリニックに
います。午後は立川市健康会館にて立川市休日診療に出務
(15時~21時)します。今週も職域接種にて夜間の出務が
あります。
さて、本年9月15日(水曜日)北多摩糖尿病カンファレンスが
WEBにて開催されました。全体世話人会の後、今回の当番世話人、
東大和病院糖尿病センター長 犬飼浩一先生の座長を務められ、
三重大学消化器内科学教授 中川勇人先生より、「糖尿病・
脂肪性肝炎と肝がん~最新の知見~」をご講演頂きました。
その一部を書いてゆきます。
糖尿病患者さんには脂肪肝の合併が特に多く、その一部の
方が脂肪性肝炎に進展します。長期に炎症が持続すると
肝硬変に進展し肝がんが出現します。肝がんの原因は、B型
肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる慢性肝炎・肝硬変が
多くを占めてきましたが、この10年間で特にC型肝炎による
慢性肝炎・肝硬変の治療が飛躍的に進化を遂げ、脂肪性肝炎・
肝硬変から肝がんを発症する方が激増しています。
自覚症状が全くない状態から肝がんが出現します。早期
発見には、FIB4-INDEXと呼ばれる肝臓の状態を調べる採血
検査、M2BPGiと呼ばれる肝臓の硬さを調べる採血検査、最低
年1回の腹部エコー検査が有用です。これはすべて健康保険で
実施可能な内容です(当院でも実施しています)。
治療については、まず脂肪肝に成らない事、脂肪性肝炎に
進展した場合には、まずは適切な減量(食事と運動療法)に
薬物治療を追加します。現時点では、これが最も有効です。
そして世界中で脂肪性肝炎の治療薬が研究されていますが、
特効薬と呼ばれる薬品はありません。しかし分子生物学と
遺伝子工学の急激な進歩で数年中には新しい治療薬が出て
きそうです。
立川市でも若い世代への集団接種・職域接種が進行中です。
しかし変異株の拡散は止まらず、まだまだ収束は見えてきません。 皆様どうぞ御安全に。 住友
(2021年9月21日)
初診の方、月初めの受診には保険証をお持ち下さい。
クレジットカード、デビットカードはご利用いただけません。