前回から、日本の医療を取り巻く色々な問題点について書いています。
各々の疾患領域の専門家は必要な存在です。しかし患者さんにとって、人生のそれぞれの時期に必要な診療フィ-ルドが変化してきます。徒歩で自立して受診可能な時期はよいのですが、脳梗塞や(麻痺が出る、車椅子が必要になる)、肺炎後の廃用症候群(足腰の力が弱る、物忘れがすすむ、うまく飲み込めない)等の、介護を必要とする病状となったときに、専門家一人のみでこの全てのフィ-ルドを診療することは不可能です。
往診をして下さる先生、訪問看護ステ-シヨンの訪問看護師さん、介護保険関連の相談にのるケアマネ-ジャ-さん、介護ヘルパ-さん等の力が絶対的に必要です。医師一人では患者さんの一生にすべて関わることは、現行の日本の医療制度では不可能なのです。