前回は、なにやら懐かしい昭和の話をしました。今回は、卒業以降の日本の医療を取り巻く最近の色々な問題点について書いてみます。
研修医生活が始まると、ほぼ毎日出勤(年間360日)でした。
朝の採血当番のある日は朝6時前に出勤し、日中は診療でばたばたと走り、夜9時から勉強です(または、夕ご飯とカラオケ、この時代にはネットも携帯電話もありません)。
現在のように、全国で一定統一された卒後医師研修制度など存在しませんでした。それぞれの施設で、また各々の科で(内科は内科、外科は外科、眼科は眼科など)、てんでばらばらの研修が実施されていました。
当然、その科しか見たことがない医師が誕生していました。専門家といわれる医師が目標とされていたわけですが、患者さんの退院後の自宅の様子や、通院できない場合の往診の必要性などは、頭の中にない医師が多く見受けられました。