前回より、LDL-アフェレーシスについて説明しています。この治療を家族性高コステロール血症・ヘテロ接合体の患者さんは、2週間おきに実施・継続します。1回の実施時間は約2～3時間程度です。実施前の総LDLコレステロール値が250～300ｍｇ/ｄｌの場合に、治療直後には100ｍｇ/dl前後にまで低下します。前述の患者さんの場合は、開始前のLDLコレステロール値120mg/dl、治療直後のLDLコレステロール値20mgまで低下していました。昔は、下げすぎではないかとの心配もありましたが、治療翌日にはもうLDLコレステロール値は上昇を開始します。2週間の平均LDLコレステロール値が重要になります。この治療を終生継続する事で、動脈硬化を起こした病変の悪化予防と改善（退縮といいます）を期待する治療法です。しかし、患者さんの精神的・肉体的・時間的・金銭的負担を必要とする治療です。前述の患者さんは、腕の静脈が細くなったため2本の針を刺す場所が少なくなり、針を刺す時の痛みも辛くなっていました。　闘病意欲と長年の頑張りに本当に頭が下がります。