前回は、甲状腺嚢胞について説明しました。今回は、腺腫様甲状腺腫(せんしゅようこうじょうせんしゅ)について説明します。これは、甲状腺の細胞が徐々に肥大することで、腫瘍のような形をとることから、このように呼ばれます。甲状腺の内部に多発する場合がおおく、1個から数十個になることもあります。大きいものはテニスボールの大きさにもなります。一部の方に家族歴があり、また、中高年の女性に多く見受けられます。発症原因は完全には解明されていません。甲状腺癌と見分ける必要があるときには、エコー下甲状腺穿刺吸引細胞診と採血検査を実施します。内服治療も実施する場合がありますが、殆どの方は経過観察となります。
次回は、甲状腺濾胞腺腫について説明します。