院長のつぶやき

毎年検診で、ALP(アルカリフォスファタ-ゼ)のみが高いといわれていた患者さんのお話です

***原発性副甲状腺機能亢進症(げんぱつせいふくこうじょうせんきのうこうしんしょうについて***

もう随分と昔、私が昭島市内の病院に出向勤務していた時の話です。毎年検診でALPだけが高いと心配されている50歳台の女性が相談にみえました。ALPには分画があり、ALP2は主に肝臓から、ALP3は骨から、ALP5は小腸より血液中にでてきます。この女性はALP3が上昇していました。よくきいてみると身長が20歳台より2cm短縮しています。このため血液中のカルシウム濃度と副甲状腺ホルモンを測定すると、カルシウム濃度と上皮小体ホルモンが共に上昇していました。この検査にて原発性副甲状腺機能亢進症と診断されました。骨密度は既に70歳台の方と同じ量に減少していました。

副甲状腺は甲状腺の裏側に3~4個あり、血液中のカルシウム濃度を常時一定に維持するため上皮小体ホルモンを血液中に分泌して24時間休みなく働いています。この女性はそのうちの1個が腫瘍(腺腫:良性腫瘍です)になったため上皮小体ホルモンを出しすぎていました。

エコー・MIBIシンチ検査などで腫瘍の位置を確認し、全身麻酔のうえで手術にて摘出しましたところ、血液中のカルシウム濃度は正常値になり、その後、徐々に骨密度は増加しました。この方は現在も私の外来にて治療を継続しています。しかし、身長が短縮するまで気がつかれなかったの事が非常に残念とおっしゃています。

多摩地区は、原発性副甲状腺機能亢進症の方が多いような気がしています。20歳台から80歳台まで、既に500名近い方を診療してきました。もしこのような方がまわりおられる時は早々の受診をお勧め下さい。

(2016年8月17日)

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