採血をしたときに「血糖値は〇〇でしたよ」とお伝えすると、「それはどうなの?」と聞かれる事がよくあります。血糖値が高ければ糖尿病という認識は一般的に広まっていると思いますが、じゃあ、どのくらいならいいのか?という疑問は多くの方がお持ちなのかもしれません。
血糖値108㎎/dlって高いの? 看護師の返事は「う~ん、微妙ですね…食事はしていますか?」
当院の検査値結果の表には、血糖値の基準値は70~109㎎/dlと記載されていました。
では、108㎎/dlは正常値でしょうか?
糖尿病治療ガイドというテキストを見ると「血糖の正常値」という記載はどこにもありません。血糖に正常値はない?という事でしょうか?
血糖とは血液中のブドウ糖の濃度の事です。血液1dl中に何㎎のブドウ糖が含まれているかを示しています。
でも、血液って常に体を流れているでしょう?今、採血したこの血液中にたまたま108㎎流れていたということで、10分後にもう一度採血して測ると血糖値は違っています。
血糖値は常に変動しています。「108」と言っても食事を摂っているのか?食事からどのくらいの時間が経過しているのか?食事の内容はどんなものだったか?などさまざまな条件によって左右されます。当クリニックで血糖値の採血をする際に必ず食事時間をお聞きするのはそうした理由があるからです。
よく健診で食事をしないで採血をしますが、空腹の状態での血糖値が108㎎/dlだったから糖尿病とは無関係とは言えません。空腹時の血糖値が100~110㎎/dlの方は「正常高値」と呼ばれ、詳しい検査をすることが推奨されています。
また、食後に血糖値が急上昇する人は動脈硬化を起こす危険が高いと言われています。先日NHKで放送した「血糖値スパイク」の話をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。空腹時の血糖値が低かったからといって安心してはいられませんねえ…。たまには食後の血糖値を測ってみる事をお勧めします。
2012年の国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人は950万人、糖尿病予備軍は1100万人と報告されています。
私はもしかしたら糖尿病?予備群?詳しい検査については2016年10月の「血糖値ちょっと高めは要注意?」をご参照ください。
これから忘年会・クリスマス・お正月をイベントが続く方も多いかと思います。
食べ過ぎ・飲みすぎに注意はもちろん、食べた後は動くことも大切ですよ~
(ここらん)