看護師の部屋

糖尿病のシックデイって知ってますか?

ここのところ、急に暖かくなったり寒くなったりしていますが、皆さん体調はお変わりありませんか?
我が家の子どもは「マイコプラズマ肺炎」になってしまい、38℃~40℃の高熱が数日続きました。いつも憎らしい事を言ったりしているのに寝込んで苦しそうな姿を見ると、気の毒で自分が代わってあげたくなります(;_;)

糖尿病業界では体調が悪いときを、シックデイといいます。

糖尿病で内服治療やインスリン注射をしている方は、体調が悪ければ、まずは必ず!!かかりつけの病院に連絡して下さいね。

症状や食事摂取量など話を聞きながら、薬やインスリン量を調整します。個別に対応が変わりますので、自己判断は絶対にしないで下さい。

ではその「シックデイ」の状態について、どういうものか簡単に説明します。
① 高血糖になりやすい
風邪や下痢、発熱、腹痛、食欲不振などのほか、外傷や骨折なども血糖値が上がります。
このような病気や状態は体にとってストレスとなるので、ステロイドホルモンなどのストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンは急性期における体の障害の防御に役立つ面がある一方で、インスリンの働きを弱め高血糖を引き起こします。糖尿病でなければ血糖上昇に応じてインスリン分泌が増えるものの、糖尿病の患者さんではそれが十分にできません。このため、血糖値がいつもよりも高くなります。
② 低血糖にもなりやすい
その反対に、体調が悪いと食欲が低下していつものように食べられないことがあります。薬物療法をしている患者さんの場合、食べる量が少ないにもかかわらずいつもどおりに薬を飲んだり注射すると、低血糖が起きてしまいます。さらに、病気によって生じる脱水が腎臓の機能を低下させるので、腎臓から排泄される薬の場合その成分が体内に滞り、血糖値が余計に下がるという影響もあります。いつも以上に血糖値が乱高下しやすいということです。
また、糖尿病に伴う合併症が急激に進んでしまったり、病気が重症化したり長引きやすくなります。

自宅ではどう過ごせばよいのでしょうか?
① 安静にし、水分・炭水化物を摂取
急性の病気の基本的な対応は、体を安静にし温かくすることです。それによって体力の消耗を防ぎ、病気に対する抵抗力を保てます。
さらに、食欲がなくても脱水を防ぐために水分を十分補給し、ケトーシス予防のために炭水化物をなるべく口にするようにしてください。また嘔吐や下痢が続く場合には塩分などの電解質が失われやすいので、その補給も必要です。

<食事の工夫>
消化の良い炭水化物は…重湯〈おもゆ〉、お粥、おじや、茶碗蒸し、うどん、など。
水分や電解質の補給に…みそ汁、野菜スープ、果物ジュース(冷たいものや炭酸飲料以外)。
経口補水液を適宜に…脱水を改善し、同時に炭水化物と電解質を補給できる経口補水液(OS-1®など)が市販されています。
② 病状の把握に努める
数時間おきに病状を自分でチェックし、快方に向かっているのか、それとも悪化していて受診を急ぐべきなのかの判断に役立てましょう。

★役立つ検査
体温…感染症などの重症度の推移の目安になります。
血糖…血糖値が乱れやすいので、血糖自己測定は病状把握の強い味方です。
尿糖…血糖自己測定をしていない場合、尿糖測定で高血糖の程度を推測します*。
尿ケトン体…ケトアシドーシスの前兆をつかめます(尿糖測定に用いるのと同じような試験紙が市販されています)。
体重…急激な体重減少は、脱水が起きている可能性が疑われ、要注意です。
*尿糖測定は、SGLT2阻害薬を使用している場合、高血糖状態を正確に評価できません。

★こんな時はすぐに受診
①強い自覚症状(嘔吐、激しい下痢・腹痛、心臓の鼓動が異常に早い、息苦しいなど)が続く
③ 高熱(およそ39℃以上)
④ 高血糖(血糖値なら350mg/dL以上の時。尿糖なら強陽性が続く時)
⑤ 食事をほとんどとれない
⑥ 尿ケトン体が強陽性
⑦ 上記1~5に該当するほどではないが、症状が改善する気配が感じられないとき
(一部糖尿病ネットワークより引用)

今シーズンはインフルエンザなどの流行が早いといわれています。
我が家は「マイコプラズマ肺炎」第2号がいつ出るかヒヤヒヤしています(^^;)
年末年始、皆さん体調に気を付けてよいお年をお迎えください(^^)/~~~(ほーむ)

(2016年12月28日)

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