2017年5月18日~20日 日本糖尿病学会の学術集会へ参加するために名古屋へ行ってきました。国際会議場という大きな会場のほかにホテルや市民会館を利用して20会場で行われるというとても大規模なものです。
さて、色々な講演会場に行って多くの講義を学んできたのですが、その中で印象に残った話をひとつ。
順天堂大学大学院医学研究科・代謝内分泌内科学・スポートロジーセンターの田村好史先生の講義でした。
「やせメタボ」お聞きになった事がありますか?
日本人を含むアジア人では、BMI(体格指数)が25未満とそれほど太っていないのに糖尿病やメタボリック症候群などになる人が少なくない。いわゆる「やせメタボ」です。
この原因として注目されているのが「脂肪筋」です。「筋肉の細胞の中に脂肪が過剰にたまった状態。太っていない糖尿病患者でも、脂肪筋になっている人が多いことがわかっている」と田村准教授。
太っていなくても代謝異常を生じている人は、筋肉の質が低下していることが明らかになったというのです!
そして筋肉の質の低下は、「体力の低下」「活動量の低下」「内臓脂肪の蓄積」「高脂肪の食事」などと関連していることも判明したそうです。肝臓や骨格筋に脂肪が蓄積する(脂肪肝、脂肪筋)と、溜まった脂肪が毒性を出して、インスリン抵抗性が生じ、それが糖尿病やメタボの原因になるそうです。
また、最新の研究で、BMI18.5未満の痩せ型の若い女性では、筋肉の質の低下に加えて「栄養不足」と「運動量の低下」が重なると若くして「サルコペニア」の状態になることがわかったそうです。
サルコペニアとは:加齢や疾患により、筋肉量が減少することで、握力や下肢筋・体幹筋など全身の「筋力低下が起こること」を指します。または、歩くスピードが遅くなる、杖や手すりが必要になるなど、「身体機能の低下が起こること」を指します
先生は「痩せメタボ」に対して「若サルコ」と名付けようかなと…。
いずれにせよ、筋肉量を増やすことでしか予防策がなく、筋肉量を増やすためには運動が必要です。普通に歩くだけでは体力の向上はそれほど期待できないでので「活発なウォーキング」「生活活動量の増加」で体力アップを測ることが大切ということでした。
みなさん、ダイエットだけではなく運動もしましょうね♪
(ここらん)